通りの名「金春」の由来は、江戸時代に遡ります。当時、幕府直属の能役者として「金春」「観世」「宝生」「金剛」の四家があり、中でも「金春」は熱心な能愛好者であった豊臣秀吉の保護を受け、能楽の筆頭として召しかかえられていたと言います。その金春家の屋敷があったのが、現在の銀座8丁目付近。金春通りに位置していたことから、その名を残しています。
能楽の代表的流派であった「金春」の名を冠した通りらしく、毎年8月1日から7日までは「能楽金春祭り」が開催されます。最終日の7日には路上にて奉納能が演じられます。室町時代に幕府の保護推奨を受けて発達し、安土桃山時代に豊臣秀吉によって興隆を極めた「能楽」という伝統文化を今に伝え、後世に残していこう、と始まったこのお祭り。銀座の真ん中で本格的な能を見ることで、幽玄の世界を堪能することができます。
明治時代の銀座は、日本に二ヶ所しか建設されなかった煉瓦街のひとつでした。その証しが金春通りの入口に記念碑として残っています。これは旧金春屋敷内、現在の銀座八丁目八番地大徳帽子店跡地にて発掘された当時の煉瓦です。その下にはガス灯や提灯など、明治初期の煉瓦街を偲ばせる古い写真を元にした銅板彫金がしつらえられ、縁の地である金春通りのシンボルとなっています。
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